「嘘、だ…っ」


「嘘じゃねーよ。…晃希はずっと菜月を想ってた。誰よりも、大事にしてた」





──ねえ、晃夜。僕も菜月が好きなんだ。


いっつも遠慮して、思ってることをなかなか口にしない晃希が真っ直ぐ俺を見てそう言ったんだ。

それだけで晃希にとって菜月がどれだけ大事か分かるだろ?





「だって…、晃希。いつも私に "菜月と晃夜はお似合いだよ" って言ってたもん…!」





──でも僕は菜月を見てるだけで幸せなんだ。大好きな菜月と晃夜が幸せだったら……僕はもう充分だ。



バカなんだよ晃希は。

どうしようもないほどバカなんだよ。