菜月の体を離して、真っ直ぐ見る。 これは、賭け。 「俺が傍にいるから晃希を思い出して辛いんだろ?じゃあ──」 「待って晃夜っ!」 何かを察したのか菜月が目の色を変えた。 だけど俺はやめない。 「俺は菜月の傍にいないほうが良いのかもな」 だってこうでも言わなきゃ菜月は俺を晃夜として見ない。きっと、ずっと。 俺は晃希の双子、それまでなんだ。