【短編】いつからか俺たちは。




菜月の体を離して、真っ直ぐ見る。



これは、賭け。





「俺が傍にいるから晃希を思い出して辛いんだろ?じゃあ──」


「待って晃夜っ!」





何かを察したのか菜月が目の色を変えた。

だけど俺はやめない。






「俺は菜月の傍にいないほうが良いのかもな」




だってこうでも言わなきゃ菜月は俺を晃夜として見ない。きっと、ずっと。

俺は晃希の双子、それまでなんだ。