「なあ、菜月?どうしたら菜月は前に進める?……俺を晃夜として見てくれる?」 喋るだけで苦しくて。分かりきってたはずの現実を自ら突きつけて。 目を背けたいなんて、バカげてる。 きっと何にも分かってなかったんだ。 「私ね…ずっと、後悔してるの。何で…こ、晃希にね。好きだっ、て…好きだって言わなかったんだろうって」 「……うん」 正直、聞きたくない。 でも聞かなきゃいけない。 じゃないと進めないから菜月も俺も。 二年前から立ち止まってたのは菜月だけじゃなくてきっと俺もだったんだ。