「お湯を注いだら、今度は保温しながら蒸らすの。蒸らし時間の目安は、三分から四分くらいね。この砂時計は三分計だから、砂が落ちきったら丁度いい感じよ」
興味津々の表情で落ちていく砂粒を見つめているはるくんに、クスリと笑みをこぼすと、お盆を持ってきてポットとカップをその上に乗せた。
「あとは、お客さんのところに持って行って、カップに注いでお出しするだけ。あっ、その前に、カップも温めておくのを忘れないで。それから注ぐ前に、ポットを左右に軽く揺らすのもポイントよ。そうすると、茶葉の味が引き出されるの」
わかったようなわかっていないような、曖昧な表情ではるくんが頷いてみせる。
まだ少し早いかなと思ったりもしたけれど、それでも教えたかったのはわたしの勝手だから、今は曖昧でもいい。
最後の砂がサーっと落ち切ったのを確認して、覆っていたカバーを外すと、お盆を持ち上げてすぐ隣に視線を移す。
「はるくんも、一緒に行く?」
驚いたように目が見開かれて、小さな頭が勢いよく左右に振られる。



