後から聞いた話だと、どうやらジャンケンで決めたらしい。
私はソプラノに手をあげたから、莉乃はアルトだ。
ホットしたようで、残念なような複雑な気分だ。
莉乃とは……仲直りはしてないけど、でもまぁ普通に話す。
お互いあのときのことは一切話さないし、話そうともしない。
まるで、もう終わってしまったことのように。
莉乃は罪悪感のなにも残っていないだろうけれど、私は違う。
ずっと、ずっと覚えてる。
あのとき、話したことは。
私が負った、心の傷は。
きっと、ずっと、覚えてる。
それでもまぁ、普通に話せるようにはなったけれど。
朝は一緒に登校する。
まぁ、それくらい。
莉乃とは必要以上に話さないつもりだ。
だって、思い出してしまうから。
若葉が、莉乃にべったりとしていた頃のことを。



