気がつけば、もう入学式。 新しい生活が始まる。 期待と、不安。 その2つが、私の中で交差する。 『朝一緒に行こうね!』 その約束は、本当に果たせるのだろうか。 過去の経験からして、不安だ。 少しでも遅れれば、先に行ってしまう。 それが莉乃だ。 だから私は、約束の時間の5分前に着くようにする。 常に私が先に居なくてはいけない。 一緒に行くには、それしかない。 この場所を失わない為に。 この手を、掴む為に。 「おはよー!」 その言葉を、聞く為に。