「今日は、いくから……………」
「ふんっじゃぁ、鍵当番くらいはやりなよね。ずっとサボってたんだから。」
「う、うん……………わかった。」
小桜さんをこれ以上怒らせないように、私は嘘をつく。
本当は部活になんて行きたくない。
「そもそも!ずっとサボるんだったら気安く吹奏楽部になんて入らないでくれる?うちらは本気でやってんの!本気でやれないなら来ないで。本気でやれるんなら来てよね。」
「う、うん……………わかってる………」
気安く……………ねぇ。
吹奏楽部に誘ったのはいったい誰だったのかな?
バレー部を辞めるように勧めたのは誰だったかな?
「今日は、ちゃんと、行くから…………ごめん……………」
「あっそ。じゃぁ一番に来なよね。準備も全部美玲がやってね。今までサボってたんだから。」
「わ、か、った……………」
もう……………嫌だよ。
どうして……………私は言いたいことが言えないのかな………?
どうして、いつも喉に何かがつっかかって、声を出させてくれないのかな………?
でも、言ったところで何も変わりはしないよね。
これからは、嫌でも部活に行こうかな。
そうすれば、こういう機会は減るよね。



