本当の友達



そんなこと、ありえないけどさ。


わかってる。わかってるけど。


「……………はぁ……」


私は軽くなりかけた心がまた重くなるのがわかった。


もう、この時間が終わってしまうのかと思ったら…………。


理科は、毎日あるから。


明日、また会えるから。


だから、少しの間だけ、我慢……しよう。








理科の授業以外で、2人と会話することは少ない、いや、滅多にない。


全くといっていいほどない。


予餞会が終わったと同時にゆかりと会話することもなくなって、卒業式練習のときも席は前後で近いのに、会話すらしない。


しかも隣は……………莉乃だった。


今一番会いたくない人。


今一番顔をあわせたくない人。


その人が、卒業式で席が隣なんて。


私の心はひどく重くなる。


まだ私は莉乃を忘れられていなかった。


また友達に戻れる……………?


なんて、馬鹿な期待しちゃってさ。