本当の友達



数日後。私の吹奏楽部への仮入部が始まった。


人生二度めの仮入部。


同じクラスのゆかりもいたから、さほど緊張してはいなかった。


私はすごく楽しみだった。


きっと大丈夫だと、信じ込んでいた。


けれど、現実は違った────。


「あの………」


「いこっ」


私が話しかけようとすると、一目散に逃げる2人。


いわゆる、"無視"だ。


退部するときは物凄く近づいてきたというのに、仮入部が始まった途端“これ”だ。


態度を変えるのが早いと、心の中で嘲笑う。


それでも、私は真面目に部活に参加した。


一度決めたことだからと割り切り、感情を押し込み、"無"の仮面を被った。


クラスで被っていた仮面を、まさか部活でも被ることになるとは思わなかった。


ちなみに、無視をしているのは小桜さんだ。


ゆかりは、加担はしていない。


もちろん、私に話しかけてくれる、なんてことはないのだが、はなしかけると返してくれるのはゆかりだけだ。


私は、どこにいっても"独り"だ。


これは、もうきっと変えられないこと。


私がひなたにいくことはできないということ。