「美玲!何票差でゆかりなの!?」


小桜さんが私に聞いてきた。


「ごめんね。そういうのは教えられないから。」


選挙の細かいことは、外部に漏らさないようにと先生からもきつく言われてるからね。


そんな簡単には話せないよ。


「えぇ~お願い!」


「本当に教えられないんだって~……」


小桜さんをまくのに、無茶苦茶苦労した。


なんたって、しつこく聞いてくるんだもの。


選挙が終わったというのに、どうしてこんなにも騒ぎ立てるのだろうか。


もう、終わったことだ。


落ちた人も、当選した人も。


それぞれがそれぞれで、割り切らなければならない。


きっとしばらくは騒ぐだろう。


特に、千里と小桜さんは。


「はぁ…………」


私は小さくため息をついた。


生徒会、ね。


次の学級委員は誰がやるのだろう。


2人とも、生徒会役員だ。


ならば、男子は吉田か?


女子は……瑠偉あたりだろうか。


どちらにせよ、もめることにちがいはないだろう。


くだらない、と私は心の中で嘲笑った。