放課後、二年B組に集まった各クラスの選挙管理委員の人たち。


隣のクラスは男子で、森谷だった。


知ってる人でよかったと心の中で安心する。


それにしても、今年は多いんだって。


立候補する人が。


生徒会長と、二年書記以外は競争選挙。


こんなの珍しいって先生は驚いてた。


まぁ、私には関係ないけど。


これからまた、忙しいのかな。


別にいいや。部活、行かなくていいし。


放課後だといいな、集まり。


そんな淡い期待、すぐ崩れそうだけどね。


たすきも作らなきゃいけないし、選挙のための机も。


これは、やりたくないよねぇ……。


誰も立候補しなかった理由がわかったゎ。


面倒なんだね。こういうのが。


ま、そういう人たちなんだろうから、仕方がない。


「美玲。お前なんで選管なったの?」


そう聞いてきたのは、森谷。


別に関係なくない?と言いたいところだけど、聞かれたから、答えようか。
 

「別に、やる人いなかったから。」


嘘は、ついてない。


実際、やる人いなかったし。
 

森谷は、自分から聞いてきたくせに、「へぇ~」とだけ返してきた。