"無視"されているわけではない。


ただ、遠巻き?のような感じだ。


まるで、そこにいないような。


私が、ここにいることに。


気づいてもらえていないような。


なんだろう。説明しずらいけど。


私が“ここにいる”って実感がない。


同じ班のゆかりでさえ、私のことをいないように見るから。


ゆかり自身、男子と話してるから私に気づかないんだろう。


まぁ、もう慣れたが。


そんな私の話に、クラスの皆が聞くわけもなくて。


そんなの、わかりきったことで。


だから、体育祭の説明をするときの皆の視線が怖い。


まるで、弓矢のような。


グサリと突き刺さりそうな。


そんな、視線。


人見知りの私にとっては、脅威でしかない。


そんな私が教卓に立ち、話をすることができるだろうか。


人前に立つ勇気が、生まれるだろうか。


皆が私を、どういう風に見るのか。


それが一番、怖い──。