本当の友達




────しばらくして、私は莉乃に違和感を感じるようになった。


それは。


「ルナ~ペア組も!」


部活のとき、私よりもルナとペアを組みたがるようになったこと。


私から誘っても、断るようになったこと。


「え~?だって美玲とは結構組んだことあるじゃん?だから、他の人と組んでみたいっていうか~」


「……そうだね。わかった。」


私は平然を装って返す。


それでも心は、違う。


莉乃は明るくて、友達が沢山いる。


だからペアにも、困らない。


でも私は違う。


「莉乃しか…いないのに……」


そう吐いた私の言葉は、誰にも聞かれることなく風に流れていった。