本当の友達



「……っ、ごめ、なさい!!」


「――!!」


「謝って……許され、ること、じゃないって、分かってる、けど……色々なこと、全部、ひっくるめて、本当に、ごめんなさい……」


……これは、本当に私に悪いと思って謝ってるわけじゃ、ない。


顧問の目がそれを物語っていた。


「謝ってるんだから、許すよな?」


これで私が許さなかったら私が悪者になる。だからこの場ですべて許せと、そう言いたいんだ。


「謝られても、なかったことにはなりません。」


そう言うと、小桜さんはさらに声をあげた。涙声でまた「ごめんなさい…」と言った。


「楯山。部長は自分の非を認めて謝っているんだ。泣きながら謝ったなら普通許すんじゃないのか?
それに……俺はお前も謝るべきだと思うぞ。」


「……え?」


「部長に対してよくない態度をとったらしいじゃないか。今回の事もそれが原因だと聞いた。
そういう事なら少なからずお前にも非があるとは思わないか?」