「今1番つらいのは美玲ちゃんなのはわかる。何も言えないなら私が客観的に感じた部長への違和感を伝えようか?」
「それは…!!余計、悪化するだけだと…思います」
だめだ。そんな事したら部内の空気がさらに悪くなってしまう。
今でさえこんな状況なのだ。これ以上悪くなんてしたくない、
「自分で…なんとかします。」
「そっか。わかった。でも本当に辛くなったら顧問の先生じゃない先生に相談してみるのもいいと思うよ」
「はい。この事に気づいてくださっただけで私は嬉しいです。ありがとうございます…」
先輩は「それならいいんだ」と言って、練習を再開した。
どうにか…か。
私はコンクールにこだわりがあるかといえば、そうでもない。
何かを夢中になってやり遂げたことなんてないから、その気持ちがわからない。
吹奏楽部に入れば…皆で演奏する楽しさや達成感が得られると思った。けど、それは無理だった。
部活って…なんで入らなきゃいけないんだろう。



