部長と副部長の言うことには従うこと、返事はしっかりすること。
敬語はきちんと使うこと、等。


当たり前の事のように思えるが、人数の少ない部活では部員は友達のような距離感なので、守れない1年生部員はかなり多かった。


それらを先生が徹底的に指導した結果生まれたのが部長の機嫌を伺う今の状況だ。


だから私が無視されても、ハブられても、誰も反対しない。助けない。やめようと言わない。


いずれ飽きるだろうと思ってるけど、それがいつかわからない分、ただつらいだけなのだ。


「ねぇ、ゆかり…私、これからどうすればいい…?部活、行かなきゃ、だめ?」


ゆかりに縋りついたまま、問いかけた。


「美玲が嫌なら、具合が悪いって先生に私から話すよ。だからそこは心配しないで」


ゆかりがそう答えるのを、私はどこかでわかってた。わかってて聞いた。

誰かにそう言ってほしくて、ゆかりにそう言ってほしくて。


わたしは、ずるい。