「黒板とノートどっちやりたい?」


「どっちがいい?」


永井さんは黒板やりたそうだったから、一応聞いておく。


「じゃあ黒板やっていいかな。」


「いいよ。じゃあ私ノートやるね。」


こうして、仕事は決定。


係、委員会も順調に決まった。


全てが、順調に見えた。


学級の書記にもなった。


新しい友達も、できた。


髪だって短く切ったし。


なるべく女の子らしくしようとした。


何言われても黙るつもりだった。


譲るつもりだった。


クラスメイトの邪魔にならないように、過ごすつもりだった。


いつも、影で。


隣のクラスには莉乃がいる。


莉乃がいれば、私は大丈夫だ。


たとえ、クラスで孤立したとしても──。