私はもう、諦めているんだ。
人と関わること、必要以上に関係を深めること、表情を表にだすこと、を。
プールにだって、本当は行きたくて行きたくてしょうがない。
でも、それも諦める。
もしも一緒に行ったとして、それでもあんな、不当な扱いを受けるくらいなら、私は行かない。
行かないほうが、よっぽどいい。
実際、私が行く行かないの返事をしなくても、誰一人としてそれに気づく人はいなかった。
・・・・・ゆかりも、気づいてくれなかった。
結局、その程度なんだよ。
私は、その程度の存在なんだ。
「7時40分・・・・・間に合った」
萠花と最終確認のlineをしてたから、てっきり遅れてるかと思った。
職員玄関から入り、生徒昇降口へと向かう。
2年の下駄箱には、A組にゆかり、B組に小桜さんの靴があった。