「あはは……人見知りでさ、話すの苦手なんだよね……」
これは、本当。
私は人見知りで、おまけに人の顔色を伺う癖がある。
そのせいで、本音を隠すのがほとんどだけど。
たとえば、いまとか。
「そっか~ま、少しずつ話せば?」
「うん、そうするよ」
こんなことを言っていても、小桜さんの顔は笑っていない。
いや、笑ってはいるのだろう。
でもそれは、“ホンモノ”の笑顔じゃなくて、“ニセモノ”。
小桜さんが得意とする、“つくりもの”の笑顔。つまり、仮面。
表向きは仲が良いと思わせるための、策略。
その策略のせいで、まわりはみんな仲の良い吹部、というふうに認識している。
……本当は、ちがうのに。



