そのおかげで、小説を書く時間が無くなってしまった。
私は家では小説を書かない。
休み時間にひとりで黙々と書くタイプなのだ。
でも最近は、ゆかりとヲタクトークをしているため、全くといっていいほど小説ノートに手をつけていなかった。
さらには、休み時間に廊下から小桜さんが覗いてきて、私とゆかりのほうをみて、ゆかりだけを呼び出してヲタクトークをする、ということも度々あった。
そのときは、私はもちろん小説を書くのだが。
けれど、その回数は日が進むごとに増えていった。
お昼の放送での曲のリクエストをしに行くときも、私がゆかりについて行っていたのに、小桜さんがゆかりについていくようになった。
ゆかりはべつに、私のことなんて見ていなくて。
ただ、ヲタクトークができる人くらいにしか思われていなくて。
やっと見つけたと思った“友達”も、やっぱり“友達”じゃなくて。