「あ、そうだ。俺漫画書くゎ。」
野山さんが布団の下に隠してあったらしい一冊のノートを取り出した。
それは漫画ノート。
野山さんはよく漫画を書いている。
私はそれを横目でいつも見ていた。
私は小説を書いている。そして、その挿絵をの野山さんにお願いをしてみたいと、思ったんだ。
だから、話しかけたかったのだけれど…………今まで全く接点がなかったせいで、どうすればいいかわからなくなってしまった。
こういうとき、人見知りって嫌だなぁ。
「詩織よく漫画書くもんね。あ、そうだ!あたし、いつか詩織が書いた漫画がアニメ化したらそのアニメの声優やりたいなぁ!あたし、将来声優になりたいんだよね!」
いいなぁ。こういう、約束。
私は約束が怖い。どうしても、あの時のことを思い出してしまうから。
「それいいね!じゃぁ俺頑張って書くよ」
………でも、でも。
私だって小説家になりたいっていう夢があるんだ。
だから、だから……………。
少しくらい、夢を見てもいいでしょう?



