できることなら、夏貴と帆波がいる班に行きたかった。
でも、私は行かなかった。
ゆかりに、譲ったんだ。選択権を。
帆波とゆかりは仲が良いから。一年のときはいつも一緒だったから。
2年になって私が場所をとってしまって。私は罪悪感を感じていたから。
でも、私は孤独には慣れてるからどうってことはない。
早苗と野山さんは同じソフトテニス部で休み時間はいつも一緒にいるほど仲が良い。
野山さんとはキャンプ前、少しだけ話したことがある。
それは、あるゲームアプリについての話。そして、ボカロの話。
ゆかりと話しているところに、野山さんはたまに入ってきていた。
私は3人での会話は苦手で、ほとんど口を挟むことはなかった。
だから、少し複雑だった。
話せる人がいたのはすごく嬉しい。でも、ゆかりとの会話の時間を盗られたような気分になった。
どうしていつもこんな考えしかできないんだろうと自分を呪った。