「これで、山田さんと同じ!俺、山田さんとキスしたけど、口にはしてないから。」





「えーーーーー!!知らなかった!山田のヤツ!!嘘つき~!」



足をバタバタさせて怒る私を、王子はまた抱きしめた。




「こんな自分勝手でわけわからん男のことを、陽菜は好きなんだぞ。」




「はい。でも、会いに来てくれて嬉しかった。晴斗さん、ありがとう!!」





王子は、公園まで自転車で来ていた。



優しい王子様は、また私を心配して家まで送ってくれた。




また2人でサイクリングができた。




夜風が気持ち良くて、涙が出ます。





「晴斗さんだーーーいすき!」




「ば~か!」




家の前で、王子は手を振る私を呼び止めた。



「お前が俺を忘れようとしてるのに、こんなことしてごめんな・・・でも、完璧な男じゃないから、大事な人を一人に絞れない。振り回してごめん。」




悲しそうな表情になった王子が心配で、私は大丈夫大丈夫と、笑顔で手を振った。



「おやすみ!」





王子は、私の笑顔を見て、安心したように笑ってくれた。