「……そんな慌ててどうしたの?」

「へっ、な、なんでもないよ!」


いつにも増して鋭い功希を前にして、あははーっと笑って誤魔化す。



けれども功希の眉間の皺は深くなる一方で、気付けば壁際まで追いやられていた。



「もうそろそろいい加減にして欲しいんだけど。武井には言うのに俺には言わないってどういうこと?」

イライラした様子で壁に手をつく功希。


挟まれた私はどこへも逃げることが出来なかった。