そんな考えを巡らせていた俺の側へ、勇者がやって来た。 「よう、織部ー!飲んでるかー?」 ゲラゲラと笑いながら織部さんに話しかけるのは、最初に俺に話しかけてきた先輩。 案の定というか、元々酔っていた先輩はこの数時間で完全に出来上がっていた。 「んーなんだー?無視か!?無視なのか!?」 素でもかなり熱血だった先輩だから、酔うと喧しいぐらい五月蝿い。 「まぁ、これでも飲んで語ろうぜ」 そう言って無理矢理織部さんのグラスにお酒を注げば、睨まれているにも関わらずゲラゲラと楽しそうに笑っていた。