がらり。と指定された店の扉を開ける。 その瞬間、どことなく見覚えのある顔が一斉にこちらを向いた。 「うわ、莉乃じゃん!久しぶり~。元気だった?」 「熊沢!?嘘だろ?何年ぶりだよおい!」 わらわらと集まってくる同級生に、自然と口の端が弛む。 久しぶりに呼ばれた旧姓に、なんだか過去に戻ったような気持ちになった。