智ちゃんは私より5才くらい上で

当時、二十歳を過ぎていて…
当たり前に働いていたから
なんだか、
ちょっぴり大人に見えたんだ。

遊び友達だった先輩の家に
大勢で泊まった日…

みんなで雑魚寝して、
その中に智ちゃんは居た。

その時は先輩の友達ってだけで、
楽しい人だな
くらいにしか思わなかった。

しかし、事態は急展開。

朝方、私はこっそり先輩に
別室に連れてかれて
えっ、えって感じのうちに
押し倒されて

待って、待ってって感じのうちに
強引&慣れた手口で、
最後まで、やられてしまった。

今まで手を出されなかったから
安心してて…嫌いじゃなくて、
むしろ憧れてた先輩なんだけど。

でも、何かショックだったんだ。

みんなが起きて、帰ろうとする時に
先輩が私を『送ってやって』って
言った相手が智ちゃん。

智ちゃんは快く引き受けて、
もう一人、智ちゃんの相棒と
3人で先輩んちを出発したんだ。

前日と様子の違う私に気付いた
智ちゃんが『どした?』って
優しく聞いて「やられた」って
答えたら、少し、驚いたけど
『そっか』って全てを悟ってた。

先輩の手の早さは、
有名だったから…
今まで何もなかったのが逆に、
不思議だったかもしれない。

でも、私は男女を超えた友達なんて
勝手に思ってた笑える勘違い。

智ちゃんは
『俺ら今日、用事で
色々、まわるけど、
何も予定ないなら付いてくる?
それとも、先、送ろうか?』って
言ってくれたから、
一人になりたくなかった私は
一緒に行くことを選んだんだ。

気はまぎれたし、楽しかった。

優しくて、面白くて、
イイ人だった。

でも、私はやっぱり
男の人を甘く見てたんだ。

智ちゃんが昔、
とある暴走族のアタマをしてて…
悪さばっかしてたって事も
地元じゃ、それなりに有名だって事も
先輩から聞いてたのに。

それじゃなくても彼は私より年上で
人生経験も豊富だから
一枚も二枚もウワテのはずなのに。