だけど、

俺の足はすぐに止まった。


綾と………

男の人……?


俺の心の中に雲ができた。


すぐに雨になりそうな…

そんな暗い雲が……


俺は方向転換して、

綾と反対の方向へ走りだした。


「…早く……CD聞こう…!」


明らかに俺は動揺していた。

俺が動揺する理由なんてないのに。



俺は、

家に帰るとすぐに自分の部屋に入り

今日買ったばかりのCDをかけた。


ゆっくりとした歌いだしから、

曲は陽気なリズムになる。


歌詞の内容は、

恋愛を描いたもので

なんだか悲しい感じだった。


悲しい恋愛を乗り切ろうとする-

そんな一人の少年の歌だった。


俺は、

音楽を聴きながら眠りについた。


俺は、これから

どんな未来を歩くのだろう?


どれだけ探したって見つからない-

そんなことを真剣に考え続けていた。