家族にも 迷惑かけっぱなしだから、 もう悲しい顔を見せて、 家族を悲しませたり したくなかった。 俺はそのまま 二階に上がっていき、 自分の部屋に戻った。 部屋には 微かな綾の香りが 残っていた。 「綾……。」 そう呟いても、 現実は変わらない。 何をやっても変えられない。 俺は体の力を抜いて、 ベットに倒れこんだ。 倒れこんだベットには やっぱり綾の香りが 残っていた。 その香りに 俺の胸は締め付けられ、 行き場のない気持ちは、 どこへも進むことができず 漂っていた。