「雫、顔色悪いけど大丈夫?」 ザワザワとした喧騒の中、体育座りをしていた私は突然声をかけられた。 クリクリの瞳をした少女が心配そうに私の顔を覗き込んでいる。 彼女の名前は山崎明里(やまざき あかり)。 ショートカットに小麦色の肌、しっかり者でくるくるとよく変わる表情が可愛らしい、中学時代からの私の親友である。 「う…うん!大丈夫だよ!めっちゃ元気元気!」 私は慌てて笑顔を取り繕い、そう答えた。