クルッ


私の最後の言葉を聞き終える前に、水沢君は興味なさそうな顔をしてきびすを返した。



「あ……！ あのっ……！」



私の声など気にもせず、元来た道をスタスタと歩き出す。



……行っちゃうっ……！



このまま別れたらなんだか二度と話しかけられないような気がした私は、気が付くと夢中で水沢君の制服の裾を力いっぱい引っ張っていた。