「―― ……っ! ちちちち、違うのっ!!!」



何がどう違うのか、そもそも『違う』という言葉じたいこの場面では的外れなのだが、そんなことを考える余裕のない私はひたすら意味不明の言葉を繰り返す。



「だからっ、これは……その……なんていうかっ……―― 」

「……猫……」

「……えっ……! ね……猫……?」



恥ずかしさと動揺でパニック状態の私の言葉を、いつも見てきたぶっきらぼうな水沢君の一言が遮った。