ピピピッ 「37.5度」 お母さんの声が聞こえる。 おでこも、なんだか冷たくて気持ちいい……。 閉じていた瞳をゆっくり開くと、そこには見慣れた天井が広がっていた。 「あれ……ここ私の部屋……」 確か昨日はずぶ濡れで家に帰ってきて、お母さんが拭いてくれて……。 そのあとどうしたんだっけ……。 寝起きのボーっとした頭でしばらく考えていると 「あら? 目が覚めた?」 「え……?」 天井しか見えなかった私の瞳に、お母さんの優しい顔が飛び込んできた。