「ねぇ貴矢? もしあの子のことちょっとばかり傷めつけてくれたら、これからも付き合ってあげてもいいわよ~?」
そう言って、再び先生に唇を重ねる。
……今、何て言った……?
私の顔から一気に血の気が引いてゆく。
「せ、先生……?い、いくら何でも……そんなこと……しないよね……?」
震える声で私が呼びかけるも、リカちゃんのキスに陶酔しきっている先生の心には全く届いていないようだ。
先生もリカちゃんも……壊れてるっ……!
とても正気の沙汰とは思えない2人の様子に身の危険を感じた私は、反射的にその場から逃げ出そうと足を踏み出そうとしたのだが……。
カチャリ
「!!」
私の行動を見越したように、先にリカちゃんがドアへと近付き鍵を閉めたのだった。

