数日後。



「ん~! 気持ちいいっ!」



昼休みの屋上で思いきり手足を伸ばし、大の字になって寝転がる私。


水色に澄んだ秋の空が一面に広がり、ゆっくりと雲が流れてゆく。


手を伸ばせば、指先が今にも届いてしまいそうだった。



「私もこの空に溶け込んで、何もかも忘れちゃいたいなぁ……」



目を閉じて、空へと心を放つように大きく深呼吸をする。


そうすることで、疲れ切った心が幾らか洗われるような気がした。






あれから色々考えた。



だけど、考えても考えても答えなんて見つからなくて……。



いや、上辺だけの『答え』ならもうとっくにわかっている。


だけど私は、ちゃんと自分自身の『答え』を自分で見つけて自分で出したかった。



「これだけ悲しい思いをしてるんだから、せめてこれがきっかけで涙が出るようになってくれたら、いくらか報われるんだけどなぁ……」



苦笑しながら言っても仕方がない文句を空に向けて投げつけてみる。


そんな私をポカポカと暖かい秋の陽光が眠りへと誘い、だんだん私の思考能力を奪っていった。



「眠いなぁ……。このまま午後の授業サボっちゃおうかな……」



まどろみの中でそうひとり呟いた時



「サボってんじゃねーよ」



突然頭上から声が降り注いだ。