ドキーン!



ドアに手をかけたまま棒立ちになる私。


恥ずかしくて後ろを振り向くことができない。



「俺は本気だから」

「!」

「お前が水沢のこと好きでも全然かまわないから」

「せ、先生……?」

「1週間後の放課後、ここで待ってる。返事はそのとき聞かせてくれ……」

「あ……」



振り返らなくても、先生の熱い視線が背中に伝わってくる。


心臓が早鐘のように高鳴り息をするのも苦しかった。



「あ……の……失礼しますっ」



ついに耐え切れなくなった私は、やっとのことでそれだけを言い残し、バタバタと教室をあとにしたのだった。