「そ、そんなのわかってるもんっ……!」 本当は『よかったね』って言ってあげなくちゃいけない。 「わかってても出来ないんだもんっ!」 私が一番に『おめでとう』って言ってあげなくちゃいけない。 頭ではわかっていても、心と体が全然言う事をきいてくれなかった。 「そっか。そうだよな……。言葉で言う程簡単なことじゃないよな」 そう言って先生は、再び口を閉ざし優しく頭を撫で続けてくれた。