泣き虫王子と哀願少女



ニヤニヤと何やら意味ありげに微笑を浮かべる先生。



「嫌で……」

「あ~、言っとくけど、俺のケガの責任とってもらうから、今のお前には拒否する権限なんてないからな~」

「なっ!?」



私の拒絶の言葉を途中で遮り、ぶつかった肩をトントンと叩きながら先生が呟く。



ケガなんてしてないくせにーっ!



恨めし気に先生を睨む私。


そんな私にはおかまいなしに



「責任取れないってんなら実力行使って手もあるけど……」

「!?」

「俺は全然それでもかまわないけど?」



怒鳴りたいのは山々だが、今回は明らかに私に非がある。



「わかりましたっ!」



釈然としないながらも、渋々先生の提案を承知したのだった。