泣き虫王子と哀願少女



久しぶりにあの夢見ちゃった……。



翌日の朝、重たい頭を抱えながら、教室へと続く長い廊下を歩いているところである。


結局夕べも2人のことが頭から離れず、眠りに落ちたのはすでに明け方のことだった。



こんな時にあんな夢見るなんて……、なんか夢見まで最悪……。



充血した目をこすりながら、肩を落としうなだれて歩く。



もしも2人に会ったらどうしよう。変な風に逃げ出しちゃったし……。



今更ながらに、昨日の自分の行動が恥ずかしくなってきた。



潤君、何て返事したのかな……。



いくら考えたって答えなどわからないのだが、そのことばかりが頭をグルグルと回り食事もろくに喉を通らなかった。



でもこれで、今日も2人で登下校してたら……私が聞くまでもなく潤君がオーケーしたってことだよね……。


その時私は、果たして自分を保っていられるだろうか?



そう思うと、悲しみとは別に恐怖さえも感じるのだった。