泣き虫王子と哀願少女



―― 見渡すかぎり続く深い暗闇……。



きっとこれはまた、いつもの夢の中だろう。



「……エーン……エーン……―― 」



ねぇあなた、いつになったら泣き止むの?



「……エーン……エーン……―― 」



ねぇ、そんなに泣いて涙は枯れないの?



「……エーン……エーン……―― 」



ねぇ、どうして今日は2人でいるの?



「……エーン……エーン……―― 」



ねぇ、隣の男の子はだあれ?……―――