泣き虫王子と哀願少女



それから数日後。


今日もニャン太に餌をあげるため、いつものように裏庭へと向かっている。



「あれからリカちゃん、潤君に告白したのかな……」



本当は気になってしかたがないのだが、現実を知るのが怖くて聞くことさえ出来ずにいた。



「あんな可愛い子に告白されて断る男の子なんて、きっといないよね」



友達の幸せを願わなければいけないのに、どうしてもそれができない。


自分勝手なことばかり考えてしまう自分が、なんとも情けなかった。


肩を落とし、とぼとぼと歩く。


落ち込みながらもようやく裏庭への曲がり角に差し掛かった時



「―― あのね、話があるの」



すでに誰かがいたらしく、可愛らしい女の子の声が聞こえてきた。