泣き虫王子と哀願少女



「お前、数学の須藤と付き合ってるって本当か?」

「はいっ!?」



あまりの衝撃的な一言に呆然とする私。



「やっぱ本当だったのか?」

「……えっ? あっ! まままま、まさか、そんなわけないじゃんっ! 」



頭と両腕をブンブンと振り、慌てて全身で否定する。



「ど、どっからそんな話が出てきたの!? 噂になってるとか!?」

「いや、噂とかじゃねーんだけど……」



なんとも言いにくそうに潤君が言葉を濁す。



「……あっ! もしかして例の紙切れ?」

「!」



ピンときた私が潤君に問いかけると、「あぁ、まぁ……」となんとも歯切れの悪い答えが返ってきた。