泣き虫王子と哀願少女



「え??」



予想外の反応に、呆然と立ち尽くす私。


なおもリカちゃんは、クスクスと笑いを漏らしている。



「あ、あのー……」

「あっ! ご、ごめんね!」



真剣な私に気が付いたのか、慌ててリカちゃんがこちらに向き直る。



「だって、雫ちゃんてばいきなり真剣な顔して変なこと聞くんだもん!」

「へ、変?」



「そうだよ~!」と言いながら、なおも笑いをこらえている。



「私が潤のこと、好きなわけないじゃん!」

「え?」

「んも~、どっからそんな考えが浮かんできたの~?」

「い、いや~、その……」

「潤は単なる男友達だよ~!」

「そっか……、うん、そうだよねー!あはは……!」



なんともあっけらかんとしながらしゃべるリカちゃん。



「私は雫ちゃんのことが、いっちばん大好きだもんっ!」



そう言って、天使のような笑顔で私の腕に抱きついてきた。