泣き虫王子と哀願少女



「あ、あのさ、リカちゃん」

「ん?」



いつも通り可愛らしいニコニコ顔で、リカちゃんが振り返る。


「どうしたの?」と愛くるしい瞳をパチパチさせながら、私の顔を覗き込んできた。



……ここで聞かなかったら、きっともう聞けない気がする!



よし!と心の中で気合を入れ直した私が、再度真剣な面持ちでリカちゃんに話しかけた。



「リカちゃんは、潤君のことが好きなの?」



私にしては珍しい、逃げ場のない直球ストレートの質問。



突然の質問に一瞬ひるんで沈黙するリカちゃん。……が……



「ぷぷぷっ」



やがてこらえ切れなくなったのか、口もとに手をあて押し殺すようにして笑い出したのだった。