泣き虫王子と哀願少女



「潤~! 頑張って~!」



次の週の土曜日。


またしても野球部の助っ人を頼まれた潤君を、リカちゃんと一緒に応援しているところである。


結局私達はあれからも、相変わらず3人で放課後を過ごす日々を送っていた。



もしかしてリカちゃん、潤君のことが好きなのかな……。



遊園地でのあの態度といい、それ以外での行動を含めて考えてみても、どうしてもそう思えてならない。


このところ、何をしていてもそのことばかりが頭の中をぐるぐると回っていた。


耐えかねてリカちゃんに何度も聞こうとしたのだが……。


もしも好きと言われてしまったらと思うと、怖くて話を切り出すことさえできずにいた。



「潤~! ファイト~!」



相変わらず嬉しそうに声援を送るリカちゃん。


片や、嫌な想像ばかりがどんどん膨らんで応援に全く集中できない私。


いいかげんモヤモヤとした気持ちを払拭したくて、ついに私は口を開いたのだった。