「―― ……か?」 「?」 私の耳に、微かに届く誰かの声。 声が……聞こえる? そんなはずはないと、再び顔を埋める。 「……か? 大丈夫か?」 「!?」 ―― 気のせいじゃないっ!? 頭上から降り注いだ聞き慣れた声に、伏せていた顔を上げる。 「潤……君?」 そこには、汗を流しながら心配そうな表情で私を見つめる潤君がいたのだった。