「頭痛い……」



次の日の放課後、2年C組の教室へ向かう途中である。



結局昨日はあの後、特に何をされることもなくそのまま帰宅したのだが……。


もちろんあんなことのあとでいつも通り眠れるはずもなく、ほぼ一睡もしない状態でなんとか今日の授業を乗り切ったのだった。



「とりあえず今日は潤君に言って帰らせてもらおうかな」



鉛のように重い頭を抱えながら、ようやくC組の入り口に差し掛かる。


教室からはなんとも楽しそうな女子生徒の笑い声が聞こえてきた。



「まだ潤君の他に誰かいるのかな?」



潤君のファンの子達だったら嫌だなぁと思いつつドアに手を掛ける。



―― ガラッ


「!」



そんな私の視界に飛び込んできたのは、いつも通り無表情の潤君と、その隣に座る楽しそうなリカちゃんの姿だった。