「好……き?」

「そう、好ーき!」


まるで小さな子供に言い聞かせるかのように先生が答える。


「生徒としての……じゃなく?」

「ライクじゃなくてラーブ!」

「…………」

「…………」

「えっ……。えぇぇ~~~っっ!!」



ようやく理解した私は、驚きのあまり更に腰を抜かしてしまった。



「だ、だ、だって私、先生とろくにしゃべったこともないし!」

「ん~、まぁそうだな」

「成績だって悪いし可愛くないし性格だって特別よくないし……!」

「ん~~、まぁそうかもなぁ」

「男の人から好きだなんて言われたこと一度もないし……」

「ん~~~。それは俺にとっては好都合だけどな」



なんだか言ってるうちに自分が虚しくなる。



「あのー、私のこと好きなら少しくらいフォローしてくれても……」

「ん~……?」



先生は吸っていた煙草を灰皿に押し付けこちらを振り向き



「まあ俺は、お前のそんなところも全ー部ひっくるめて気に入ってんだけどね」

「!!!」



自嘲気味に笑ったのだった。