泣き虫王子と哀願少女



「せ、先生はなんでそんなに私のことからかうんですか!?」

「……」

「他の女の子達のこともそうやって口説いてるんでしょ!?」

「……」



混乱冷めやらぬ中、怒りながら先生に疑問をぶつける。


先生はバツが悪そうにカシカシと頭をかきながら、やれやれと呆れ顔で目を伏せた。



「お前なぁ、何で俺が他の好きでもねー女を口説かなきゃならねーんだ?」

「……?」

「そもそもがだなあ、どうして俺がお前のことからかわにゃならないんだよ」

「???」



先生の言っている意味が全くわからない。



「だって先生はプレイボーイなんでしょ? 女子生徒からすっごい人気もあるじゃないですか!」



わけがわからないイライラからキレ気味に言葉を投げつける。


そんな私に「だからー」と、先生がもどかしげに続けた。



「俺はお前以外の女に興味はないし、遊びで口説いてるわけでもないの」

「???」



それでも全く事態が飲み込めない私に「あーもう!」と業を煮やした先生が、開き直ったように口を開いた。



「お前のことが好きだって言ってんの!」

「!?!?!?」



予期せぬ突然の告白。


先生の思いがけない言葉に、私はただ呆然とするしかなかった。