大っ嫌い。………嘘、大好き。

きっかけはある日のことだった。

「おはよう！健斗！！」

「おう、はよ。」

こいつはただの幼馴染。

あまり、好きではない。

でも、じつは好きだったんだ。

優しいし

何かとめんどくさいけど、

いざという時に頼りになる健斗が

大好きだったんだ。

「朝から熱いねぇ〜」

「お前ら付き合ってんのか？」

「んなわけないじゃん！！バカじゃないの！？」

「そんなに必死になって、本当は付き合ってんじゃねーの」

「はあ？」

「おいやめろ。お前らは幼稚園児か」

「幼稚園児！？」

「はっ！アンタにはお似合いだね！」

「確かにー」

「ほらつぼみも言ってるよー？」

「！！覚えとけよ！バーカ」

ドタドタ

「ありがとね。健斗」

「どーいたしまして」

ほら、頼りになる。

かっこいいなあ…

「そんなに言うなら、告白すればいいじゃんか」

「それはー勇気がないというかー振られるのは嫌だし」

「臆病者め」

「イタッ！叩かなくてもいいじゃんかー」

「バカ」

「ヒドッ」





「告白かー」

したいけど、振られたら何かと気まずいしな。

第一、健斗の前では素直になれないし。

「やっぱり、お前ってあいつのこと好きなんだな」

「ゲッ、か、川原…」

「やっぱり好きなのかよ」

「うるさい」

「おっ、怖い怖い」

「どっか行ってくんない？うざいから」

「へえー健斗のこと好きなんだー、ということは健人とキスしたいとかかんがえてんのかよ」

「うるさい」

「おっ、図星か？このこと健斗に言っておいてやろうか？」

「やめて」

「何ー？」

「ウザいから」

「何ー？健斗大好きってー？」

「もうやめて！！！あいつなんて…健人なんて大っ嫌いよ！！！」

「だってさー健斗」

「…………」

「嘘…」

「……お前、俺の事嫌いだったんだな。」

「違うの、健斗……」

「奇遇だな。俺もお前の事大っ嫌いなんだ。」

「え……？」

「お前、小さい頃からずっと一緒にいたけどずっと付きまとってきて、正直ウザかったんだよなー」

「嘘……」

「お前も俺のこと嫌いなのに、付きまとってきたんだな」

「違う……」

「違わねぇだろ…？」

そういう健斗の顔は何処か悲しそうだった。

「ごめんなさい」

私はそう小さくつぶやき屋上に走って向かった。


バンッ

「あ………う……」

屋上に着くなり、目から透明の液体が流れ出してきた。

「あっいたいた！茉莉！！ってどうしたの！！？？」

「え、ちょ茉莉どしたの？」

「どうしたー！！茉莉！！」

「あ……の…ね………」




「そんな事があったの…」

「川原サイテー」

「向井もヒドイけどね…」

「仲直り出来るように、私たちも協力するから」

「ありがと……つぼみ、文乃、美優」